グルテンフリーは糖尿病のリスクが高まる?健康への影響は?
グルテンフリーという食生活を生活習慣に取り入れることによって
健康状態が向上した、体の不調が改善された、という声が増え
近年グルテンフリーを始める方がとても多くなってきましたね!
グルテンフリーは様々な病気・不調を改善することが実感されていますが、
実際のところまだ研究では具体的な効果については解明されていません。
同様にリスクについても解明はしていませんが、
「グルテンフリーは糖尿病のリスクが高まる?」
「グルテンフリーの健康への影響ってあるの?」
というような質問をよく目にします。実際のところどうなのでしょうか?
そこで今回は、グルテンフリーが糖尿病予防に効果的かどうかを調査するとともに、その理由についてご紹介していきます。
グルテンフリーは糖尿病の発症リスクがある?
グルテンフリーの研究者によると、20万人の被験者を対象に30年間かけて長期的に観察研究を行なった結果、
グルテンを多く摂取していた上位20%(1日12g以下のグルテン摂取)の被験者は
グルテン摂取が低い被験者(1日4g以下のグルテン摂取)と比べると
2型糖尿病の発症リスクが約13%低いということがわかりました。
2型糖尿病って何?どんな症状なの?
2型糖尿病とは糖尿病の1種で、生活習慣病です。
1型糖尿病はすい臓の細胞障害が起きてインスリンを生産できなくなり、
その結果高血糖状態が続く病気。
この1型糖尿病は注射によってインスリンを補うといった治療が必要になるものです。
それに対して2型糖尿病は、遺伝的な要因に加え、
運動不足や食べ過ぎ、栄養不足などの生活習慣に起因して発症するものと考えられています。
血液中のブドウ糖の量が増え、血糖値の高い状態が続き、発症します。
(まだはっきりとした原因は解明されていません・・・)
2型糖尿病は1型と異なり、インスリンの分泌自体は行われているものの、
分泌量などが減っていることが原因で起きると言われています。
注射治療を行うこともありますが、まずは運動療法や食事療法を行うのが一般的な治療方法です。
1型糖尿病が青少年に発症しやすいのに対し、2型糖尿病は中高年に多く見られます。
2型糖尿病は何年も症状が現れず、出てきたとしてもとても軽い症状で、なかなか気づくことができません。
起きる変化としては尿の量が増え、それによってとても喉が乾くようになります。
また、尿が増えることでカロリーも多く排出されるので体重が落ちて強い空腹感を感じたりするようになります。
疲労感や眼がかすむ、眠気、吐き気がある
などといった症状が現れたら病院に行って検査を受けることをおすすめします。
なぜグルテン摂取の低い人が2型糖尿病リスクが高まる結果となってしまったの?
実はグルテンフリーの食品は、食物繊維やその他微量に含まれる栄養素の含有量が少ない傾向にあり、
栄養価が低いことが多いのです。
グルテンを避けると、穀類などに含まれる繊維もあまり摂取しないということに繋がります。
この繊維質は2型糖尿病の予防に大きな影響がある因子であるということも研究で分かっています。
グルテンフリーをすることでおのずと繊維質の摂取が少なくなり、
グルテンフリーをしている人は2型糖尿病の発症リスクが高まったというわけです。
もともとグルテンフリーは糖尿病やセリアック病の方向けの食事療法であるため、
一般の方が取り入れると著しく栄養素が不足してしまう、という傾向にあるようです。
一時期、糖質制限ダイエットなども流行りましたが、こちらも栄養素の偏りが起きるため、
病気の死亡リスクが高まるといったデメリットもありましたね。
グルテンフリーが一概に健康に害がある!というわけではなく、
グルテンフリーを心がけることによって無意識のうちに不足する栄養素が出てきてしまうというのが原因と言えます。
グルテンフリーを心がける上で、栄養素が偏りすぎないようにする、
不足している栄養素を補うよう意識するということはとても重要です。
ただグルテンフリーの食品を選び続けているだけでは病気のリスクは回避できません。
1つの食品、1つの栄養素にフォーカスしたダイエットや食生活は健康的とは言えないので、
グルテンフリーをしつつ、不足しやすい繊維質などを補う工夫をしましょう。
グルテンフリーが及ぼす健康への影響もよく知っておこう
いかがでしたか?
グルテンフリーはまだまだ研究段階で確定的な結論が出ていないことも多いですが、
健康に与えるいい影響というのは少なからず実感している方が多く、
病気の治療にも活用されている食事療法です。
小麦アレルギーやセリアック病でない限りは厳しく小麦を制限しなくとも、
少しずつ小麦の摂取を控えていくやり方でも十分に体調の変化は実感できます。
ぜひグルテンフリーの生活も健康習慣に取り入れてみてくださいね。